食用菊は、観賞用の菊と同じ仲間で、苦味を少なくし、食べやすいように花弁を大きくするなど、食用として改良・選抜したものです。小輪種と大輪種があり、小輪種は刺身のつまに添えられている小さな黄色い小菊などで、大輪種には黄色い「阿房宮(あぼうきゅう)」、や、山形県で「もってのほか」、新潟県では「カキノモト」と呼ばれている紫色の「延命楽(えんめいらく)」などがあります。 しゃきしゃきとした歯ごたえ、爽やかな香りと風味、ほのかに甘くてほろ苦い味が特徴で、日本独特の繊細で伝統的な味として、人々に親しまれてきました。おひたし、酢の物の他に、吸い物や天ぷらなど、食べ方は様々あります。食用菊を茹でる際は酢を少量加えて茹でると、変色せずに綺麗に茹で上がります。また、特有の歯ざわりを楽しむために、茹で過ぎないことがポイントです。
花びらに張りがあり、形がきれいなものが良いでしょう。
乾燥しないようにポリ袋に入れるか、湿らしたキッチンペーパーで包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。食用菊は日持ちしないので、早めに使い切りましょう。
ビタミンやミネラルが多く、特にβ-カロテンやビタミンC、葉酸をはじめとしたビタミンB群などの抗酸化作用の高い栄養素が多く含まれています。